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Biobloc治療と小児口腔機能発達不全症

2022年7月4日

症例は Hellmanの咬合発育段階ⅢB期、9歳の女児で、顔面の垂直成長を認め、下顔面の過成長を認めていました。そこで、stage3装着前までに、口蓋形態の修正、上下顎第一大臼歯、前歯の圧下を行い、乳臼歯の生活歯髄切断後に削合を行いました。写真は削合前と後です。



2年後、顔面の成長方向の変化により、顔貌の改善が認められます。しかしながら、口腔機能に関しては、保護者へのアンケートにより、改善が必要な項目が認められました。実際、Stage3装着時には顎を前後左右に自由に動かすことができずに、装着に時間を要しました。



そこで、お弁当を持参いただき、食べ方と飲み方に対する摂食機能療法を行うこととしました。



食べ方の問題点では、かじり取りによる一口量の調整がない。舌は左右に動きにくく、前噛みで、チョッパータイプの咀嚼が認められました。一方、飲み方では、舌と口唇がコップを迎えに行き、コップの位置は深く、下口唇で支えて飲んでおり、水分量の調整は口唇と舌ではなく、開口とコップの傾きによって行っていました。また、連続飲みができないため、一口ずつ含んでから飲み、頭の傾きや頤筋、表情筋の過緊張によって嚥下している。などが認められました。そこで、齧り取りと、口唇浅めでコップを捉えることをお話し、口腔の前方部を正しく使えるように支援しました。

このように、口腔機能に発達不全が認められる小児には、それに応じた対応が必要なこともあるようです。Formが先か、Posture, Functionが先か・・・?患者さんに応じてですが、全て大事なんですね。(中野 崇 記)