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2025/08/08[ 追悼 オーソトロピクス/バイオブロックの創始者、我々研究会の指導者であるJohn Mew先生ご逝去されました ]
私達の指導者であるJohn Mew先生が、去る令和7年6月26日、かねてよりのご持病と体調不良によりご逝去されました。
毎年恒例の「John Mew講演会」はコロナ禍以前は東京で開催し、以後はZoomによるオンラインで開催してきました。
本年5月末までは、少なくとも週に1回はメールまたは電話で連絡を取り合っておりました。
それが突然の旅立ちに本当に驚き、何の言葉もありません。
超高齢であり、難病をかかえ、不思議ではありませんが、メールの返信はすぐに返ってくるのに、今回は返らず、何だろうと思っておりました。
一途に、成長による不正咬合の原因と治療方法の解明に取り組んでいたジョン。今までとにかく忙し過ぎました。これからはゆっくり休んで、ジョーとの再会を喜び合ってください。
これまであなたは私に、何事につけても、考える機会を与えてくれました。
あなたは深い思考家でいつも考えさせられます。そして真理を追求するあなたにいつも感動しています。
今更ながら、あなたが考案されたTropic Premiseやオーラルポスチャーの改善が重要であることは言うまでもありません。Mastantlos仮説も参考になります。この原理は真理であり、真理は時や場所を問わず不変です。あなたは、本当に偉大な方でした。
ですからこのことを根底におき、毎日の臨床に携わっています。当然矯正装置もBioblocを用い前方成長を主体とし、その結果としての「良い顔立ち」になっていきます。しかし、開業の現実はそうで無い場合、まま行わないではいられないことも多くあります。それは歯列を完璧にストレートにする患者の要望です。骨格的改善を要する外科的矯正の場合もそうです。ブラケットを使用してもインプラントアンカーを併用すると下顎の下方への開大を避ける一助となります。これらの治療にもOral Postureの改善トレーニングは有効です。
それで何とか、あなたのコンセンサスを得たいと考えていたのです。
それでも地球は回っている……、
ガリレオの名言をジョン、あなたは自著で使用していましたね。あなたの心の叫びだったんですね!
私があなたに最初に会ったのは1994年の3月で、Purleyでのコースを受講した時です。
そこに至るきっかけは私が矯正雑誌のインタビュー取材で1993年USAのAnthony DeLukeを訪問し、Stage3を見たときに始まります。そしてあなたの要望で1994年秋の東京での第1回講演会と1996年日本フェイシャルオーソトロピクススタディーグループ設立と繋がり、未だに私が会長で現在に至っています。
その間2回の国際シンポジウム開催、2冊の御著「Biobloc Therapy」「不正咬合の原因と治療」の日本語版出版があります。
ジョン、あなたとの30年間の思い出は山のようにありますが、忘れられない思い出のひとつに、2006年日本全身咬合学会でのあなたの教育講演がありました。
その講演では私が通訳を務めましたが、講演前夜の食事後ホテルのラウンジで静かに語らいあったとき、あなたは涙を流しながら「私がこんなに努力をしているのに、私の説はどうして多くの人に理解されないのだろうか」と深く悲しんでいました。あなたは本当に根っから真面目で、事象の原因を深く考え、すべて論理的に結果を追及し、それにより対策を考えるタイプですね。それがあなたのオーソロピクスを生んだのですね。
私達の日本フェイシャルオーソトロピクス研究会は、ジョンのオーソトロピクス・バイオブロックを研究し、情報交換をする会です。いつもあなたの基本理念を崩さないようにして守り、矯正治療の基本原則として、これを守るにはどうしたらいいかを考えています。
ですから設立して28年になりますが、未だに会を存続し、あなたから学び、多くの歯科医師、歯科技工士に呼びかけています。この間、新しい観点のオーソトロピクスをと言うことで異なる意見を持ち出す方もいましたが、ポスチャーやオーソトロピクスの前提条件という顔の自然成長誘導を基本とした原理を崩さず守っていこうと会の理念で活動しています。
あなたを失ったことは大きな損失で、その悲劇は続いています。
そして、研究会の今後の活動に多難なこともあるかも知れません。
役員一同力を結束し、頑張っていく所存です。
どうか天国からお見守り下さい。ご冥福をお祈りいたします。
2025/08/08
フェイシャルオーソトロピクス研究会
会長 北總征男 -
2025/08/06[ Michael Mew講演会のお知らせ ]
日時:2025年12月7日(日)15時~19時(オンライン開催)
9月1日(月)より申込受付開始します。
申し込みはこちらから https://johnmew-06.peatix.com
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2024/09/02[ John Mew講演会のお知らせ ]
日時:2024年12月1日(日)15時~19時(オンライン開催)
9月2日(月)より申込受付開始します。
申し込みはこちらから https://johnmew-05.peatix.com
※クリックで拡大できます
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2024/09/02[ 例会のお知らせ ]
第60回Facial Orthotropics研究会例会のお知らせ
日時:2025年3月を予定しています。
詳細は今後掲載します。 -
2023/11/24[ Mew講演会のお知らせ ]
日時:2023年12月3日(日)15時~19時(オンライン開催)
申し込みはこちらから https://johnmew-04.peatix.com
当日正午まで申し込み可能(コンビニ決済は12/1まで)

※クリックで拡大できます
ご入会窓口、お問合せは下記フォームよりご連絡ください
ごあいさつ
子どもたちの健康な発育のために
子どもたちの顎や顔に関して、現代では環境的因子によって発育不全の状態といわれています。
イギリス在住の臨床矯正歯科医師 ジョン・ミュー氏によって確立されたオーソトロピクスは、顔と歯列を自然で美しい状態に発育するようにうながす治療体系です。「自然成長誘導法」とも呼ばれ、子どもたちの舌唇頬などのバランス「オーラルポスチャー」を整えます。
子どもたちの矯正歯科治療の可能性を大きく広げ、世界各国で臨床や研究活動が展開されています。
当サイトはオーソトロピクス、およびフェイシャルオーソトロピクスについて、詳しくご紹介しています。お子さまの歯並びが気になる方から、矯正歯科専門医の方までお気軽にご覧ください。
- 本研究会の理念
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オーソトロピクスの拡大に努め、情報交換することが本会の目標です。
矯正治療において前方成長の促進をめざし、成長の方向は常に意識していなければいけません。その上で、固定装置の使用、抜歯併用、外科的処置への推移などは、各臨床医の裁量に委ねられます。それぞれで適応症例を追求し、効果的治療を重ねましょう。
フェイシャルオーソトロピクスとは

子どもたちの舌唇頬バランスなどを「オーラルポスチャー」といいます。この部分を整えて、より自然で美しい顔と歯列の発育をうながす治療体系が「オーソトロピクス」です。
不正咬合のある患者の顔貌は、後天的な環境因子を主因とした歯間への舌癖や口呼吸などにより、上顎骨が前方よりも下方へと発育する傾向が強く表れます。
フェイシャルオーソトロピクスとは、歯牙・舌・頬・口唇を含むオーラルポスチャーが顔の発育に影響を与えるという仮説にもとづき、Bibloc装置を用いるシステムのことです。
上顎の下方変化と
下顎前歯部の側方傾斜を伴った症例
患者は初診時8歳の女児で、「下の前歯が傾いてきて心配」と知り合いのクリニックに紹介されて来院。 D|が抜去され、そこへ前歯が倒れ込んできている状況がうかがえる。又、中顔面の間延びした感じがやや見られ、上顎骨の下方変化も見られた。花粉症にもかかっていた。
■治療前







Indicator line
: Upper 37mm (+6)
: Lower 35mm (+6)
- 上顎骨の狭窄と前方落下傾向があり、下まぶたと頬が引かれたようになっている (6-6内側幅径35mm)
- 下顎はD|の早期脱落のため、右乳犬歯と前歯が右側へ傾斜している
- 口角部の締め付けが強い!
- セファロX線写真ではアデノイド増殖が顕著で、気道狭窄を呈していた。また、頭蓋底の開大傾向も見られた。
■治療開始




治療は上顎前方部の狭窄を先に改善し、続いてOrthotropicsの手順に従い上顎にはstage1 Biobloc装置で拡大、下顎には補助弾線とバンパー付のstage1 Lower装置で傾斜を修正するようにした。
■拡大後、Stage2装着時




Indicator line:Upper 34mm (+3)
上顎6-6 内側幅径40mm
右下の4|空隙 7.4mm確保
前歯の歯軸が立っているのが判る
空隙はこの後さらに8.8mmまで拡大した
■6ヶ月後Biobloc Stage3装置の装着




■治療開始1年後




9y4m
Indicator line:Upper 34mm (+2)
4|4の一部萌出を見る。4|も歯槽粘膜レベルまで出て来た。
口腔内の装置はBiobloc Stage4装置に変更した。
■2年後の確認時






Indicator line:Upper 36mm (+3)
- アデノイド増殖も少し小さくなったように見える。気道の確保ができた。
- 上顎骨の前方成長とともに下顎骨もまた前方へ成長できている。
■6年後 14歳時





Indicator line:Upper 42mm (+6)
- 緊張が強いのか再び顔が長くなる傾向にあるが、患者本人の習慣に見合った顔貌ともいえるだろう。
- 口腔内の装置は既に終了しており、良い状態を維持している。
| 名称 | 日本フェイシャルオーソトロピクス研究会 |
|---|---|
| 会長 | 北總 征男 |
| 住所 | 〒289-2516 千葉県旭市口645 |
| 電話番号 | 0479-62-0225 |
| URL | https://www.orthotropics-jp.com/ |
| 概要 | 【日本フェイシャルオーソトロピクス研究会】はイギリスのジョン・ミュー氏により創始された治療体系です。矯正歯科治療における、子どもの顎や顔面の発育をオーラルポスチャーを整えることで、より自然で美しい顔と歯列の発育を促します。お子様の歯並びが気になる方は、歯科医師の方までお気軽にお問合せください。 |





