「よくわかるOrthotropics」シリーズ 第1回目
2021年6月16日
オーソトロピクスは、「オーラルポスチャーに誘導されて顎顔面と歯列が良好な発育を示していく」、という仮説を前提に構築された治療概念と臨床実践論です。仮説とはいえ、矯正歯科臨床のご経験が豊富な方々には、この生物学的仮説の正しさはよくご理解していただけると思います。
顔面・歯列の形態および機能の由来には、遺伝要素もさることながら、環境因子(呼吸・嚥下・咀嚼・全身の姿勢等)も無視することはできません。そして、それら多様な環境因子は大なり小なり「オーラルポスチャー」へ影響をおよぼします。そのことは、今日の日本の子ども達の顔貌や歯列の急激な変化を見ても明らかでありましょう。
「よくわかるOrthotropics」シリーズを通じて、オーソトロピクスを深く学ばれるためには、ジョン・ミュー氏の講演会へのご参加、あるいは彼が1986 年にその体系を著した『BIOBLOC』の和訳本『バイオブロック・セラピー』を適宜照らしてご覧になることをお勧めいたします。さらには、この治療法に関して多くの治療経験を積んだ会員がおりますので、皆様の研究会へのご参加も、お待ち申し上げる次第です。