よくわかるOrthotropics|矯正歯科の診断・治療法をお探しの方は日本フェイシャルオーソトロピクス研究会まで

〒289-2516 千葉県旭市口645

0479-62-0225
  • 地図
  • メニュー

「よくわかるOrthotropics」シリーズ 第2回目

2021年6月16日

小児歯科専門医である知人が体調を崩した折に話していたことです……「バイオブロック「Biobloc Stage Ⅲ 」も原因のひとつかなア?」。もちろんこれは彼一流の冗談です。

が、それほどにオーソトロピクスにおける、年齢・フェイシャルタイプ・歯牙サイズ、将又(はたまた)耳鼻科形疾患を含めた適用症例の選択は難しく、さらにはオーラルポスチャーの大切さを認識することは容易ではありません。

たとえば、上顎(正確には頬骨・篩骨・口蓋骨・鋤骨・涙骨とで構成される上顎複合体)の側方拡大を「Biobloc StageⅠ(上顎用)」という装置で達成するのはオーラルポスチャー是正の、いわば準備段階です。ところが因果を混同して、「歯牙配列を目的とするのがBiobloc StageⅠ装置だ」、などと他の類似装置とおなじように解釈し、またはその意識に引き摺られていると、従来的矯正歯科治療ではなかなか改善効果の認められない「垂直的な不正咬合」の改善はもとより、非抜歯治療と見誤って所期の目的を納めることが出来なくなります。

実際、診療をしてみればわかるのですが、「Biobloc StageⅠ」で得ることのできた成果を維持するには、多くの場合、「Biobloc Stage Ⅲ」を子ども達がよく使ってくれなくてはなりません。「Biobloc Stage Ⅲ」の目的はオーラルポスチャーの習得と習熟であって、下顎を位置づける装置でもなければ直接的に歯を動かす装置でもありません。

シリーズ第2回目は、お困りの患者さんがいるからといって、「オーソトロピクスの全貌をつかむまでは治療に着手しない、あるいは比較的しっかりとした筋肉タイプ(Mesio~brachy facial type)で下顎はわずかな後退をしめす、叢生の少ない8歳以下症例への対応からはじめるのが望ましい」ということをテーマにお話しいたしました。