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「よくわかるOrthotropics」シリーズ 第5回目

2021年6月16日

今回は『自然成長誘導法』をご説明しましょう。

『自然成長誘導法』……Web上で一人歩きをはじめている言葉です(笑)。
非抜歯治療(歯を抜かずに並べる方法)・床矯正(上あごにBiobloc StageⅠ様の装置を使う)・医院広告等々……の分野で、しばしばあやまって引用されています。
ある種、魅力的な響きがあるせいかも知れません。「自然」なるものの姿を知ることは。医療では身が引き締まるほどに厳しい課題なのです。

当研究会にて “Natural growth guidance”(ジョン・ミュー氏提唱)の和訳に、用語『自然成長誘導法』を当てた経緯について、説明をすすめます。

いくつかの矯正歯科臨床では、現状がその患者さん(=個体)にとって「生理か?非生理か?」あるいは予後(治療後の推移)を含めて「どうしてそうなったのか?」の大切な判断よりも、創始者が提唱した123‥‥式の術式や理想の値やらが信奉されているきらいがありました。
患者さんは個人個人で性格が違うように、顔立ちと歯列も個性に満ちています。生体には適用に対する許容範囲がある‥‥とはいえ、あべこべに思いついた理想にあてはめてしまうと、どんなことが起こるでしょう?
……ご想像にお任せします。

つまり、患者さんの生活環境・幼少期からの履歴・遺伝要素等々を加味して、バランスのよい本来の状態へ誘導する方が、「治す処置」よりも現実的で、無理のない状態に落ち着くと考えられるのです。‥‥「従来の観方に見落としがなかったとは言い切れないようなので、オーラルポスチャーの重要性へ、ひとつ着目されては如何なものでしょうか?」‥‥あくまでも謙虚に、矯正歯科臨床の歴史に一歩を積み重ねる意味を込めた言葉であると、ご理解下さい。

実は昨今、多くの医療分野でもこの種の問題への反省がようやく喚起されて来ており、ことに慢性病への対応は、疾病形成因子の排除(生活習慣の改善)を投薬や手術よりも、第一義に据える気運が高まっています。