よくわかるOrthotropics|矯正歯科の診断・治療法をお探しの方は日本フェイシャルオーソトロピクス研究会まで

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「よくわかるOrthotropics」シリーズ 第7回目

2021年6月16日

今回は、オーラルポスチャーの是正に用いるBiobloc Stage Ⅲ( バイオブロック3 型装置) をご紹介いたしましょう。
ジョン・ミュー氏によって開発されたこの装置は、いくつかの段階的な治療で、上顎複合体や上下歯列を整えたあと、オーラルポスチャーを安定させる目的で使う、いわばオーソトロピクス( 自然成長誘導法) の核心です。
※ 次回研究会例会で調整のdemonstration を行いますので、ご参加下さい。

●目的: くどいようですが「オーラルポスチャーの是正( 生理化)」。
臨床では、おおむねの方向性の正しさは、とても大事。最先端の科学技術を駆使した“高度”医療であっても、治療の方向性( はじめの一歩) が誤っていれば成果は思わしくないことでしょう。
※ Mandibular posturing appliance ではありません。

●効果:「顔( 顔面頭蓋) の本来的な成長の回復および発揮」。
形質遺伝をこえた変化は、もちろん期待できません。しかし、個々人でおおいに異なるとはいえ、成長のポテンシャルが残っている場合は、「場をととのえる治療」の方が、長い目でみて結果がすぐれます。

●適用年齢:「5~ 8 歳が効果的」。
これについては、杓子定規で測るような年齢区分はなく、すべてが臨床者の個別判断となります。鼻づまりや受験勉強による不良姿勢を契機に、ふたたびオーラルポスチャーが乱れる兆候が認められた場合、他の装置で上顎の形状を回復してから歯型をとって新調する事なども、臨床の現場ではあり得るでしょう。
※ 開口癖が出てきた高校生に再度適用する例などがありますが、一般論としてはさし控えておきます。

●使用時間:「日中の装着( 使用)に徐々に慣れて、それから夜間の就寝時もつける。一日に22 時間( フルタイム) 程度をつけたまま過ごす。顔の形態やオーラルポスチャーの改善効果があらわれたら、夜間のみの装着( 使用) へ」。
体の細胞の置換期間は、1 サイクルでおよそ2.5 年。さらに、人間の無意識の行動は幼少期からの履歴の集積ですから、そう簡単には改まりません。気長に使うのがポイントです。

●子ども、ご家族、歯医者さんの共同作業!
スンナリと装置に慣れてしまう子どももいれば、なかなか… … の場合もあります。でも「子ども達は個々の歯並びよりも、顔立ちの良さ」にこそ関心があること大人に変わりありません。お母様と歯医者さんの励ましは大切です。